プロテクター

「こんなジャッキー、誰も知らない」
当時、そんなキャッチコピーだった本作。
1985年、公開初日に映画館で見たとき
あまりの違和感に茫然とした。
それもそのはず、日本公開されたのは
ジャッキー・チェンが監督した version。
本来、ハリウッド製作による
“ プロテクター ” は
鬼才ジェームズ・グリッケンハウスが監督。
オリジナル版を見て失望したジャッキーが
脚本を変えて、登場人物を増やしたり
アクションシーンを追加して
完成させたアジア圏版を
そのままグリッケンハウス名義で
日本公開したのだから
ジャッキー・チェンらしからぬ作品に
感じたの至極、当然と言えば当然だった。
Blu-ray Disc は
正真正銘、グリッケンハウス版。
それだけではなく日本公開版、
ジャッキー・チェン監督版の三種類を収録。
すべての version を見たけど
確かにアクション、特に格闘シーンは
ジャッキー・チェン監督版と
日本公開版のクオリティが高い。
しかしハリウッド映画としての世界観、
作品本位で言えば
グリッケンハウス版の方が重厚感がある。
もともと “ ダーティハリー ” のような
作品を意図していたグリッケンハウスと
撮影当初からアクションの演出で食い違い、
ジャッキーは反発していたようで
追加撮影の費用は
すべてジャッキー本人が捻出したそうだ。
共演のムーン・リーは当時、俺のアイドル。
もう一人のヒロイン、サリー・イップは
グリッケンハウス版には登場しない。

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